冒険の味

 学校の課題を根詰めて終わらせて、その後に飲むマリアージュフレールマルコポーロは至福の味であった。 

マリアージュフレール マルコポーロ 100g [並行輸入品]
 

  この紅茶にはちょっとした思い入れがあり、高校生の頃に定期試験や資格試験を終えて、新しい”次の旅”への意気込みと区切りとして飲んでいた。貧乏な当時の私にとっては最上級の高級品であり、当然これを飲むときの記憶はこの紅茶の香りとともに記憶される。

 先日、これがAmazonにあるのを知って購入し、またもや課題を終えて飲んだときには過去と変わらぬフレーバーにより過去の記憶が想起された。私が別媒体のNoteで書いた月の色のように、マリアージュフレールのこの香りはそれぞれの努力の喜びを私に追体験させた。おそらく、日常的に飲んでいたらこのように感じることはなかったように思う。

 長い人生を通じて、ある特定の条件の時だけに一定の事をするというのは、わりかし意義深いことなのではないか。

 ところで、レミニセス・バンプ(Reminiscence bump)というものをご存じだろうか。専門の領域外なので下手な解説を付すことは避けるので、理解は気になった人のリテラシーに任せるとして(これを切っ掛けに心理学に明るい友人と議論するのも良いだろう)、今20代の私は、将来的にそのような記憶として強く残る時間を生きていると言える。無論、これだけが全てではないし、高齢と言えるほど長生きするかなど分かりもしないのだが、このことを知って、今この時をできるだけ素晴らしいものにしていこうと前向きに思う事ができるようになった。

 

現在でも見れるかは分からないが、記憶についてはこの講習会の資料が詳しく、わかりやすい。

https://ci.nii.ac.jp/naid/40018888707